ワノ国編で物語の重要な位置づけとなっているのが光月家。謎がとても多く様々な意見が見られます。そこで今回は光月家の『家紋』に注目し、その意味や伏線などについて考えていこうと思います。
光月家家紋の意味とは?
光月家の家紋については、第817話で錦えもんの背中にあるもの(82巻第817話p.12)、ロードポーネグリフのあるくじらの樹の中(同 p.23)で確認できました。
ネコマムシ、イヌアラシ、雷ぞうにも同じものがあるとのことでしたが、光月家の家臣たちには皆その紋が入れられているのでしょうか……?
さて、改めてこの家紋について調べてみると実在する紋を組み合わせてできていることがわかりました。
鶴丸
・藤原北家に属する日野家(例:日野富子)
・河内源氏の流れをくむ森家(例:森蘭丸)
など皇室に所縁のある血統が使用してきた家紋です。近年では社章にも見られます。JALのシンボルマークも鶴丸がベースですね。
九曜
『曜』という家紋の分類の中の一つで星を表しています。
・信濃国藤原流木曽氏
・望月氏(清和天皇の流れを組む滋野氏を家祖)
・肥後細川家(肥後熊本藩主)
などが使用。
尾田先生の出身地、熊本を治めていた肥後細川家。
肥後細川家は第79代内閣総理大臣である細川護煕氏に繋がっています。細川家の家紋は細川九曜、あるいは、離れ九曜と呼ばれるものです。九曜紋より丸の大きさが小さく、中心から離れています。
菊輪
菊紋は後鳥羽上皇が愛用したことで知られます。十六八重表菊だと皇室の紋章ですね。
江戸時代には葵紋は庶民の使用はご法度でしたが、菊紋は結構自由に使われています。ちなみに西郷隆盛の家紋「抱き菊の葉に菊」は明治天皇より下賜されたもの。
明治4年には皇室以外では使用禁止となります。
現在でも国花に準ずる位置づけになっていて、菊紋の派生紋は多々見られますが、皇室の紋とはかぶらないように配慮されています。
ただ、光月家の家紋で用いられているのは紋の中心にあるメインではなく周りを囲む菊輪。
家紋は中心にある文様がメインの意味を持ちます。周りの輪などは他家との識別や宗家分家の区別などに用いられており、旧い時代の家紋には見られないようです。輪が利用されるようになったのは戦国時代以降。
家紋に光月家の家柄が…
横道に逸れましたが、
光月家の家紋にこの三種類を選んで組み合わせた辺りが面白いなと思います。光月家は世が世ならワノ国における将軍家であってもおかしくない血筋です。
中心の鶴丸文様は源氏や藤原氏に繋がりますし、九曜紋も肥後細川家に通ずるものがあります。周りの輪も単なる輪ではなく菊がモチーフになっていますし。
光月家の家紋にこれらの紋が選ばれたのは由緒正しき家柄という部分を暗に示していたのかもなぁと。
菊輪の周りには海賊旗でよく見られる2本の交差した骨のようなものもあります。これが何を表しているのかですが、一見すると工具のようにも見えますし、鯨の尾びれにも見えます。家紋に鯨紋は見かけません。着物好きな方がしゃれ紋にしているケースはあるかもしれませんが。
光月家が石工の一族であるということ、ゾウでは「くじらの樹」が神聖なものとされていたことから、これらに関係のあるものが家紋に組み込まれたのかもしれませんね。
鶴・玉・菊といえば…
さて、光月家の家紋には、鶴、九曜、菊がデザインされています。九曜は玉にも見えますね。
鶴、玉、菊といえば、ワノ国編の登場人物の名前とリンクしています。
家紋という大事なものになぞらえるならばそれなりに大きな理由があると考えられます。お鶴、お玉、お菊はワノ国編の重要人物であり、つまり何らかの形で光月家と関わりを持つ人物であろうことが推察されます。
わかっている範囲でも、お鶴さんは錦えもんの奥様、お菊は光月家の家臣です。
お鶴さんの名前が海軍中将のおつるさんと被っているのはただの同名なだけなのか、それともなにか深い意味があるのか…。
お玉はワノ国の刀鍛冶、天狗山飛徹(てんぐやま ひてつ)の弟子。飛徹は二代鬼徹を打った刀鍛冶・古徹の子孫にあたります。
通常、刀鍛冶は男性のイメージがあります。日本の刀鍛冶においても女刀工は大月源ぐらい。女の子のお玉が刀鍛冶の弟子というのも何か意味があるのかもしれません。
ちなみにルフィが飛徹から着せられた着物にも九曜紋が見られます。
【ワンピース】光月家家紋の一部はルフィの着物の文様!同じ模様のシーンをまとめてみた
光月家の家紋が三人の伏線だったということも言えますが、その先の伏線にもなりそうですね。
現在はまさに謎が謎を呼ぶ展開になってはいますが、どのように点が繋がり真相が明かされていくのかとても楽しみです。
まとめ
・光月家の家紋は3つの実在する紋を組み合わせてできている
・使われている紋は、鶴丸、九曜、菊輪で光月家の家柄を暗に示している
・鶴、玉、菊は登場人物の名前ともリンクしておりなんらかの伏線とも捉えられる
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